LFCコンポスト〜ベランダで自然のサイクルを創る〜
2022年6月17日 (金)
おはようございます。たまちょです。
「25年目のベランダ活用」で紹介した家庭菜園のベースとなっているのが「LFC」(Local Food Cyclingの略)コンポストだ。コンポストというと庭の隅にある大きめのゴミ容器で近づくとちょっと臭いというイメージがあった。ところがこのコンポストはベランダに置く布製のバッグでそれまでの私のコンポスト像を見事に打ち砕いた。その上、臭いが全くしない。ホームページの解説では「生ごみを分解する基材は独自の黄金比を採用し、堆肥化までの分解を速め悪臭を抑えます。」とあり、この基材は見た目牧草のようである。あっちゃんの話では、友人がこのコンポストを使っているのをSNSで知り、「これだったらベランダでできるじゃん」と思ったのがきっかけだったそうで、もともと、生ごみのリサイクルに興味があってやってみたいと思っていたところにこれをみて即購入したとのこと。毎日着々とコンポストに生ごみが入れられ、満杯になってから3週間熟成?させるために時間が必要とわかって、もう一つバッグを増やした。
さて、バッグの中の生ごみは「黄金比」の基材によって着々と分解が進み、「堆肥」へと変身。「土」として使うために同量の黒土をブレンドするために、力仕事が必要になってたまちょの登場となるのだが、土を混ぜた後、何に使うのか?我が家のプランター花壇はこれ以上増やせそうもないし、と思っていたら、あっちゃんがグリーンファームでキュウリとなすとピーマン(のちにししとうであることが判明)、パプリカの苗をゲット。家庭菜園用のプランターを購入し、ベランダ菜園の準備を整え、堆肥となった元生ゴミに植えられた。現在、きゅうり、トマト、茄子、ししとう、パフリカ、ミニトマトが順調に育ち、きゅうり3、茄子1、ししとう2が収穫できた。
突然話は変わる。
『撤退論』(内田樹氏が呼びかけて寄稿された論をまとめたもの)のなかで、想田和弘氏(映画監督で、つい最近夫婦別姓で役所に届けを出したことでニュースに出ていた)はニューヨークから牛窓に移住したのは「直進する文明の時間から撤退し、循環する自然の時間とともに生きていきたい」のが理由だとした。その事に気づかされたのが、山尾三省氏の『アニミズムという希望』という本だった。山尾氏は、時間の二相として、進歩する「文明の時間」と循環し回帰する「自然の時間」という考え方を示した。
前者の「文明の」時間は常に直線的で一直線に前へ進む時間であるとし、世の中の価値観に親和性が高く、この時間に生きているのは唯一人間だけ。後者の「自然の」時間は前には進まないとし、生き物としての身体や心もこの時間に属すし、生きとし生けるもの全てに循環する時間だけが流れている。というのが「時間の二相」のありかただ。想田氏はまさに自分が選んだ時間は後者であることして撤退論を展開していた。
もしかして、自分達がやっている野菜作りも「循環し回帰する自然の時間」を得ることなのか。移住はしなくてもベランダでできるじゃんと思ってこの稿を起こしてみたいかがであろうか。
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