まんぼうひまなし

たまちょこと山本宏文の いま伝えたいこと。

音楽スタジオ付きの家をつくる その3

またまた運命の日 1996年4月山中湖サウンドビレッジ

Img_5810

 ここからがいよいよスタジオづくり本番。
 全幅の信頼を寄せていた設計士さんであった。しかし、スタジオづくりは初めてではないと聞いていたが、作ったのはカラオケの防音室ということ。一抹の不安があった。


 フルバンドの練習スタジオがカラオケの防音で大丈夫なのか?
 バンド「げんきDo」のレコーディング合宿で訪れた「山中湖サウンドビレッジ」プロが使う録音スタジオの周りに一棟貸のスタジオがある施設である。夕食をとるために母家であるスタジオ棟の食堂でオーナーに「今、自宅にバンドの練習場としてのスタジオを作っているんです。」と話したところ、「何かお役に立てるかもしれない。」という話をいただいた。後日連絡をしたところ、スタジオを設計している部署の人を紹介してくれるということになった。まずは設計士さんと会ってもらうこととなった。その結果二人が意気投合。スタジオづくりのコンサルに入ってくれることとなったのである。この出会いがなければというより今考えても必然の出来事であった。

 コンサルの最初の一言が「本格的なスタジオを作ろうとすると家をもう一軒建てるくらいの金額が必要になります。」
そう言われてもねえ。スタジオにかけられるお金はその10分の1以下でなんとか。
と話している間にもスタジオ部分の施工が始まろうとしていた。
 わかりました。では、予算内でできる最善の方法を見つけましょう。
 
 最低でもこれはやります


 ○スタジオ内の壁を家の構造材から全て浮かして下さい。
 「そんなこたあやったことはねえけんど、先生がやれというならやってみらぁ。」
余談です。棟梁は設計士さんを「先生」と呼んでいた。このため施工が図面と異なっていることを発見(毎日大工さんが帰った後に電気をつけて二人で工事の進み具合を見て楽しむのが日課だった)すると、直接大工さんに言わずに三澤さんに連絡して「先生」から言ってもらう。この関係がとても良かったので書きのこしておく。
 
 ○大引と根太の接点に全て防振ゴムを入れてください。
 シート状のゴムを使うことでコストの面ではなんとかなったのだが、時すでに遅し。根太は貼り終わっていた。
 担当していた長男に「ごめんなさい。これ全部外して防振ゴムを入れてほしいんだけれど。。。」と勇気を出して言ってみた。
「おお、いいよ。いいもんができんならそっちがいいに決まってるじゃん。やるよ。」
このゴムを入れるというのは床から低音を外に出さないための方策であった。スタジオができてからの近所からのクレームで一番多いのが低音だそうだ。かなり遠くまで届くらしい。そういえば、でっかいスピーカーを乗せて音楽を鳴らして走っている車からはまずベース音がかなり遠いところから聞こえてくる。あれだ。ドラムのシンバルのようなクラッシュ音は意外とすぐに消えてなくなると言われた。

 ○自宅なので天井に音が抜けるのはよしとしましょう。
 本当は、天井も吊って防振ゴムを入れるのですけれどここはそのままで。
 ○壁に入れる断熱材のグラスウールを倍にしましょう。
 ○ガラス面は全てペアガラスにして空気の層を確保しましょう。
 ○部屋の中の反響音はタペストリーを吊るすなどして自分たちで調節してください。

「最善は尽くしましたが音を出してみるまで実際のところわからないのです。」とのこと、スタジオで最初に音を出すときに呼んでください。騒音計を持参して測ってみましょう。」

 ということで、その4に続きます。

 今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. 三澤護

    2021年7月 2日 (金) 18:24

    音のプロが入った事がその後にが良い方向にいきました。
    建築設計と同じようにどのような音を造りたのか、施主聞いているのがすごく印象的でした。
    部屋の中にもう一つ部屋を入れるイメージで音、振動を遮ります。ドラムの振動が一番厄介です。
    音の反射板も人に聞かせるか、自分がいい気持ちで演奏するかによって変わっていきます。

コメントを投稿

  • 名前

  • メールアドレス

  • URL:

  • コメント: