文科大臣へ一退職教員からの返書
2020年5月11日 (月)
拝啓 文部科学省大臣 萩生田光一 様
はじめまして、私は2年前横浜市の教員を定年退職しました。この度、同省から大臣名で「教職を一度退職された先生方へ(ご協力のお願い)」と題したペーパーをホームページで読みましたのでお返事をと思い筆を取った次第であります。
私は退職後、学校現場には残らず、年金の早期支給を受けアルバイトをしながら自由な生活を選びました。なぜ再任用や非常勤勤務を選ばなかったかというと、理由は二つあります。
理由の一つ目 教員として退職金をもらった(自分で積み立ててきたお金が返ってきただけ)とはいえ、再任用で給与が約半減するのに仕事量が変わらないことに精神的に耐えらる自信が無かったからです。
理由の二つ目 教員を始めた時から子どもたちへの評価(成績表、あゆみ)をするのがたまらなく嫌でした。最初の頃は相対評価で「これは今の集団の中だけでの序列だから、そんなに気にしなくていい。それよりもあなたにはほかの人にない素晴らしい素質があるよ。」本当は序列をつけるのも嫌でしたが、そんなに意味のない数字だからと割り切ってやっていました。その後、到達度評価が導入され絶対評価なる言葉が登場し、PDCサイクルなどという経済用語が引用されるようになり、評価はまるで不良品のチェックの様に(あくまでも私の感想です)なっていきました。教員にも均質(それも高品質の)の製品を作る様にと文科省から指示がされました(これも、私の感じたことです)。少々どころか体制批判までいってしまいました。成績づけがなければ一生やりたい仕事です。
さて、この度4月という早い時期に「学校再開後を見据え、学校の教育活動をサポートするための人員配置の支援」のために退職者の協力を得たいという見識には最大限の拍手を送りたいと思っています。ホームページでお願い文を読んだのがつい最近でしたので返事がおくれてしまいました。
ここで質問です。
1、全国の退職教員の実数を把握されているのでしょうか?都道府県ごとに管理されていると思うのですが。
2、文科省の進めている政策に教員免許更新制があります。児童生徒に直接指導するには免許が更新されている必要があると思うのですが、退職者の中で免許を更新した人または、まだ更新期間前の人が何人ぐらいいるのでしょうか?「学校をサポートするための人材」を募集するという事なので免許更新は必要ないかもしれませんが。
3、果たして退職者が必要な人材かと言われると ?マークがつくところもあります。今後インターネットを利用した学習活動が始まろうとしている時、学校に必要な人材はIT機器が取り扱えて、かつ教員にレクチャーできる人なのではないでしょうか?本当に必要な人材が集まるのか疑問です。
以上3点につきまして、是非見解をお聞きしたいです。
これまでの対応を見ている限り、こんな質問は都道府県の教育委員会へどうぞと言われるのかもしれません。が文科大臣からお願いされた1人の退職教員としてご返事を差し上げなければ失礼かと思い、筆を認めた次第であります。敬具
2020年5月8日 山本宏文
PSこのお願いを見たときに「予備役召集」という言葉が浮かんできてしまいました。コロナとの戦争についに赤紙が来たか。と(すみません不謹慎で)もうひとつ、昨日(10日)の情報番組で文科相から「もう3千人の登録をいただいています。」との発言。え、登録ってなに?いつ募集したの?ホームページには募集要項も載ってませんが……。
コメント